整理整頓の大切さ|整った環境が、整った字を生む[松阪市書道教室]
片付けに関する本、本当にたくさんありますね。
「ときめき」「断捨離」「全捨て」など、読んでいると気持ちがすっきりして、部屋を整えたくなってきます。
私自身も引っ越しの際、思い切って荷物を見直しました。
売ったり、リサイクルに出したり、持ち込みで処分したりしながら、かなりの量を整理しました。
今振り返ると、全体の7割くらいは手放したのではないかと思います。
ここ最近では二度の引っ越しを経験し、以前に比べると物はずいぶん減りました。
それでも、アルバムや昔の手紙、思い出の品など、どうしても手放せないものはあります。
無理に減らすのではなく、「本当に大切なものが残る」というのも、整理整頓の一つなのかもしれませんね。

さて、この「整理整頓」というのは、実は書道においてもとても大切です。
よく言われる言葉に、
「心の乱れは字の乱れ」
というものがあります。
昔は少し精神論のようにも感じていましたが、長く書に向き合っていると、本当にその通りだなと思う場面が増えてきました。
机の上が散らかっていると、不思議と線も乱れます。
半紙が斜めになっていたり、筆が転がっていたり、硯の位置が落ち着いていなかったりすると、どこか集中しきれません。
逆に、机の上が整っていると、自然と呼吸も整い、線にも落ち着きが出てきます。
特に私は、線と角のバランスが気になります。
平行や直角がきちんと取れていないと、ほんの少しのズレでも気になってしまうのです。
たとえば、文鎮がわずかに傾いているだけでも、なんとなく気持ちが落ち着かない。
紙が真っ直ぐ置かれていないと、字全体まで傾いて見えてしまう。
そういう感覚は、長く書を続けている方なら、きっと共感していただけるのではないでしょうか。
また、道具の扱いも同じです。
筆がきちんと揃っているか。
硯や墨が丁寧に扱われているか。
そうした小さな積み重ねが、作品にも自然と表れてきます。
もちろん、こうした感覚をそのまま押し付けることはできません。
人によって心地よい感覚は違いますし、整理整頓が得意な方もいれば、ゆっくり身につけていく方もいます。
ですが教室では、
「まず少し整えてみましょうか」
と、さりげなくお伝えするようにしています。
整えることは、技術以前の大切な土台だからです。
字を美しく書くためには、筆づかいや形だけではなく、姿勢や呼吸、そして環境も大切です。
毎日の小さな積み重ねの中で、少しずつ「整える力」が育っていけば嬉しいなと思っています。
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